当時、俺は入社2年目、相手は3つ先輩の営業事務。当時勤めてた会社は関東に幾つか拠点があり、その中でも「○○営業所の佐藤さん(仮名)」と言えば誰でも名前を知ってるくらい綺麗な人だった。
割りと上品ぽい雰囲気で、目立つような派手さはないが、話し掛けると後輩にも笑顔で優しく接してくれた。
俺は当時学生の彼女がいたが、飲み会とかで誰が好みか議論になると「おれは断然佐藤さんがいい!」「じゃあアタックしろよ、絶対無理だから」「えー、そうかなー」とか言って楽しんでた感じ。恋愛感情には至らなかった。
その話は本人にも伝わったけど、実際は彼氏いたし、まぁ俺もたまに話してホンワカした気持ちになる程度だった。所謂『高嶺の花』という感じ。
そして、俺が2年目の終わりの3月に、佐藤さんは寿退社することになり、その送別会での事だった。

佐藤さんの彼氏は、会った人に言わせると俺に似ているらしかった。
酔った勢いもあって
「佐藤さん、もしもっと早く知り合ってたら、自分が佐藤さんと付き合ってたかもしれませんよね!」
そしたら「そうだね」なんて言うものだから社交辞令とはわかりつつも、送別会では最後まで
「あ~、もっと早く知り合ってれば~」
ばっかり言って、まわりから「何勘違いしてんだ。馬鹿じゃない」とかいじられながら、雰囲気としては楽しくお開きとなった。

スタートが遅くて、店を出た時は電車はなかった。当時は今ほど飲酒運転が騒がれてなかったこともあり、帰る方向が同じ同士で何台かのクルマに別れて帰ることになった。
俺は飲んだ勢いもあり、
「佐藤さんは自分が送ってきますよ!」とみんなに宣言。方向は全然違ったけど。佐藤さんは意外とあっさり「じゃあお願いね」
回りの奴らは「最後だからな。まぁ事故だけ気を付けろよ」とか「おまえもしつこいねー。佐藤さん実は迷惑なんじゃねーの?」とか言ってた。